平成24年度事業報告書
Ⅰ、事業概要
平成24年度は、前年に続く震災の復旧復興及び原発事故関連対応等に躊躇逡巡する中、政権争奪の総選挙へと突入し、政権末期の政治の混乱は国民生活に不安をもたらし、経済の低迷を招く大変厳しい1年でありました。
このような厳しい国内の政治経済情勢の中で、本(一社)南城市シルバー人材センターにおいては、前年に引き続き国と市の補助金が減額されたままで推移し、極めて厳しい事業運営を遂行してきました。しかし、経済的に厳しい環境の中でも自主・自立、共働・共助の理念と社会貢献活動推進の指針に支えられ、会員自らの健康管理と地域ための就業と、ボランティア活動に積極的に取り組んできました。24年度は、設立5周年という節目を迎え各面において安定期に入ったものと考えます。事業実績も前年度に比べ、急激な伸びは抑制され、入会率2%、就業会員190人、就業率80%、総契約高約9,091万円と、公共・民間併せて12%増(対前年比)と前年を上回りました。
今年も、前年に引き続き沖縄県立玉城青少年の家の指定管理に共同企業体として積極的に組織参画し、就業機会拡大に大いに貢献致しました。また、南城市当局のご指導、ご支援の下、粗大ゴミ収集業務や、国の企画提案方式事業に関連するグリーンエコリサイクル事業も順調に推移し、就業機会拡大や地域環境の浄化と農業振興事業に寄与すると共にボランティア活動参加人員も延約450人を数えるなど、地域社会の発展に大いに寄与してきました。
○平成24年度事業実績
平成24年3月末 南城市人口 41,299人 60才以上 11,982人(29.0%)
項 目 | 平成24年度 | 平成23年度 | 増 減 | |
会 員 数 | 237人 | 206人 | 31人 | |
入 会 率 | 2.0% | 1.8% | 0.2% | |
就 業 実 人 員 | 187人 | 170人 | 17人 | |
就 業 率 | 78.9% | 82.5% | △3.6% | |
就 業 延 人 員 | 15,428人 | 14,913人 | 517人 | |
受 注 件 数 | 648件 | 756件 | △108件 | |
契 約 金 額 | 公 共 | 43,969,812円 | 34,176,968円 | 9,792,844円 |
企 業 | 38,122,195円 | 37,370,095円 | 752,100円 | |
個 人 | 8,349,063円 | 10,025,540円 | △1,676,477円 | |
独自事業 | 463,825円 | 0円 | 463,825円 | |
合 計 | 90,904,895円 | 81,572,603円 | 9,332,292円 |
Ⅱ、活動報告
1.普及啓発事業
事業活性化計画の目標値達成に向けて普及啓発事業に努めました。毎月の入会説明会の実施をはじめ、パンフレット、チラシ、広報紙「くがに」を通して普及啓発を行うとともに、一人暮らしの家庭に対する旧盆、年末清掃、更に尚巴志マラソン大会へ向けてシュガーホール周辺の清掃、マラソンコース沿道の草刈清掃、公共施設周辺の清掃や海岸清掃、または市内各地域の環境の浄化と美化活動等の各種ボランティア活動を通して南城市シルバー人材センターの知名度をアピールしました。それに伴い、シルバーの行動力、技能力を強力に印象づけました。更にグリーンエコリサイクル事業に関連するエコチップや腐葉土の販売並びに日常的な草刈・樹木伐採業務を通して本南城市シルバー人材センター事業の理念、仕組み、内容等の周知に努め、公益目的事業を実践する「(一社)南城市シルバー人材センター」の知名度を発揚することで普及啓発事業を推進致しました。
2.就業開拓事業
「すぐやる課」の精神を堅持すると共に、発注者のニーズを的確に把握し、適正就業の原則に照らして積極的に就業開拓を実践してきました。
会員の技能・能力と発注者の要望がマッチする就業内容を心がけ、安全にして適正な就業が日常的に実践できるよう努力して参りました。また、各地域家庭や民間企業及び公共機関やその他の施設等を訪問し、就業開拓に努めてきました。更に、地域住民の需要に積極的に応えると共に、沖縄県立玉城青少年の家の管理運営に伴う清掃及び環境整備業務、国の企画提案方式事業等に伴う就業機会の拡大など、就業開拓と拡大を実践してきました。
3.安全・適正就業事業
安全委員長を中心に就業現場を職員及び沖縄県連合の安全担当者と共に巡回訪問する「安全パトロール」をきめ細かく実施すると共に、日常的に朝礼での安全・適正就業に関する指導を行いました。更に、年次計画の中で「安全・適正就業推進大会」や現場における各種「安全講習会」等を実施し「安全・適正就業」に対する認識を徹底的に植え付け、共働・共助の精神で事故「0」を目指した結果、微細な怪我など若干の事故はあったものの重篤事故「0」を実現致しました。また、高齢者に相応しい健康管理を推進し、会員の肉体的・精神的健康を維持するため、請負を原則とする「短期的・臨時的・軽微な就業」の実施を致しました。
4.各種技能講習会事業
各種技能講習会事業は、チエンソー取り扱い講習会、草刈機取り扱い初心者講習会等を適宜就業現場において実施してきました。
南城市は緑豊かな草木の多い地域であり、就業の多くは刈草・樹木伐採であり、多くの会員に草刈機を扱う機会があり、取り扱いの優劣によって就業の結果に差が出てきます。よって、各現場において班長や古参の会員が指導講習を実践しています。チエンソーは操作に技能力が要求されます。未熟者が操作をすると危険度が大きいのみならず、就業の能率低下も招き、機材の破損に繋がり、高価なパーツであることと、より安全就業のために技能修得者限定で操作を許可しています。尚、チエンソーの講習には機材代理店の専門指導員により実施しています。
5、企画提案方式事業
新規の企画提案方式事業「環境浄化・農業振興事業」を実施いたしました。今年度からスタートした3か年限定事業「環境浄化・農業振興事業」国の企画提案方式事業はこれまでのグリーンエコリサイクルセンターのノウハウをいかんなく発揮し、腐葉土の開発や市当局のご協力により各種機材を導入し、チップのばら売りのみならず土壌改良材の腐葉土として20リットル袋詰めを販売開始し多くの市民に喜ばれております。
これまで培ってきたグリーンエコリサイクル事業のノウハウは、緑豊かで花の咲き誇る街を創出し、「南城市の地域環境を浄化し市内全域観光地化(仮称)」の可能性を大とするものであります。
益々増大する市民の要求に応えるべく積極的に研鑽を深めて参りました、そのデータ―を次年度に引き継ぎ、エコセンター(通称)事業が市当局と共同して更に前進できるよう環境を整えてきました。